老人ホームで多発する犯罪~家族も安心の防犯対策




利用者以外にも見舞客や家族、各業者など、不特定多数の出入りが多い老人ホームなどの介護施設。あらゆる人が自由に出入りできる場所は、犯罪が発生しやすい場所といえます。

近年、介護施設を狙った犯罪が多発しており、防犯対策の手薄さが問題になっています。

防犯部長まさる
ここでは実際に起こった被害を例にあげ、解決策をさぐってみました。

こんなことが起きていた!?介護施設での実際にあった話

介護施設での犯罪のひとつに窃盗被害があります。数年前に多発した老人ホームを狙った窃盗団による組織的な犯行は、防犯を考える上で切り離すことができないものとなっているでしょう。

窃盗団の被害にあった全国の老人ホームは数え切れず、総被害額も高額です。

例えば、計40件の老人ホームが犯罪に見舞われた事件がありましたが、被害総額は2000万円。これらは5人の中国人窃盗団によって行われたものでした。

より大きなものでは、関東・東北地方を狙った中国人窃盗団が起こした窃盗事件。この事件では計120件の施設が被害に遭い、その総額なんと5億4000万円でした。

中国人のみならず、日本人や在日韓国人も属していた巨大な窃盗団でいうと、23都道府県、計730件で被害総額6億7500万円という驚くべき実例もあります。

窃盗の対象として狙われたものの多くは、事務室のパソコンや、金庫内の現金です。

介護施設の事務室は入り口付近にあることが多く、夜間は無人、警備も手薄。窃盗団からみてこんなにも狙いやすい場所はないのです。

日々の生活では思いもよらないところが、犯行現場として狙われているということを覚えておかなければなりません。

介護施設で想定できる犯罪

こうした窃盗団による被害は、一時に比べ減少傾向にありますが油断は禁物です。介護施設が守らなければならないのは、事務室にある現金やパソコンだけではなく、なにより利用者であり、それに付随する情報や財産です。事務室の物やお金の厳重な管理だけが防犯対策ではありません。

例えば老人ホームにおいて、犯人が見舞い客や家族を装った場合、従業員がその全てを察知できるのは難しいところ。白昼堂々、入居者の部屋へ侵入して、窃盗や傷害事件に至るケースも実際にあります。詐欺目当てに人見知りになっていることも十分あり得る話です。

また、最近、頻繁に問題になっているのが、従業員による入居者の虐待です。

犯罪は決して外部からやってくるとは限りません。虐待や入居者同士の傷害事件をニュース等で目にすることもあるでしょう。

防犯部長まさる
内部そして外部ともに、犯罪抑止や監視のための防犯対策も急がれています。

職員の負担軽減およびサービス向上のためにも防犯カメラは役立ちます。こちらの記事をご参考にしてください。

老人ホームに防犯カメラ?「監視カメラ」としての必要性

2015.09.21

入居者の情報も犯罪対象になっています。名簿の盗難事件などは実際に起きています。個人情報保護法がある一方で、従業員の書類誤送付や USBメモリー等の紛失なども大きな課題となる点です。情報面でのセキュリティ管理の徹底も重要です。

これからの介護施設に必要な防犯システム

人手不足が深刻となっている介護業界。特に大きな老人ホームなどは、入居者に加えて物や情報管理を全て従業員が行うには限界があります。介護施設の防犯対策にあたって、システムの導入は必要不可欠であるといえるでしょう。

入退室の管理システムや防犯カメラは、導入しやすい対策です。常時あらゆる場所に導入する必要もありません。

  • 夕食後から翌朝の朝食までのみ入退室のセキュリティを作動させる
  • 玄関、エレベーターホール、廊下など多数の人々が行き交う場所に設置する
  • 裏口や夜間人目のない死角や危険場所も設置する

目視確認だけでは届かない部分を防犯システムで補うのです。

防犯部長まさる
深夜の無人になる時間帯の事務室や玄関口には、検知センサーを設置して、人が通ればセキュリティ会社に通報される仕組みにしておくと安心ですね。情報においても、セキュリティソフトを導入しておくことにより、仮にパソコンを盗まれたとしても、安易に情報を見られることはないでしょう。

これらの対策は、犯罪を防ぐだけでなく事故防止にもつながります。

防犯システムの導入には、使用する従業員の意識徹底が必要です。例えば、作動が習慣化されていなかったり、従業員が安易に情報を持ち出したりすれば、高価な防犯システムは何の意味もなしません。

防犯に対する教育や、現状の聞き取りを行い、プロだけでなく現場の声に沿った防犯システムを取り入れることが大切です。

これからの介護施設の在り方について

老人ホームなどの住居施設の中には、人里から離れた場所にあるものが数多くあります。窃盗や虐待などの犯罪が後を絶たない理由の1つとして、それらが地域社会から隔離されている点にあるといえるでしょう。

また、犯罪が起こり続けているにも関わらず、防犯対策がなかなか進まないのは、かかる費用もさることながら、人手不足やその繁忙さから、防犯への取り組みが後回しになってしまうためです。

防犯部長まさる
近年こうした状況を打開する策として、介護施設の地域開放が推奨されています。

あえて人口の多い場所に施設を建築して、デイサービスや食堂事業など、入居者以外の地域住民も気軽に利用できるよう一部を解放するのです。

事業の一部にはボランティアを募り、サービスの提供として地域へ還元することで、相互に利益があるという利点。この利点を活かしたこの取り組みは、施設や入居者を見守る人の数も増える材料となっています。

防犯部長まさる
地域開放は、特殊で閉鎖的な空間から、身近で地域密着型の施設への進化が見られる考え方ですね。

高齢化が進み続ける今後、地域社会の協力なくして、安心・安全な介護施設は成り立たなくなるでしょう。人手不足の解消や高性能な防犯システムの導入と並び、地域の目が必要とされているのです。